マルチファン工法

マルチファン工法は、扇形を組み合せた断面形状(多扇形)の改良体を構築する高圧噴射攪拌工法です。
2種類の径の扇形を組み合せることにより、格子状配置や壁状配置の地盤改良において無駄の少ない改良体配置を可能にし、より経済的な施工を行うことができます。

マルチファン工法は、高い信頼と多くの施工実績を有するV-JET工法をベースにしており、独自の施工理論のもと、回転制御機構を持つ専用の施工機を用いて異なる径の扇形を組み合せた多扇形の改良体を構築します。

  • NETIS登録番号:KT-21088-A

概要図

実大実験における改良体出来形

改良体出来形概要図

マルチファン工法による壁状改良

従来工法による壁状改良

標準設計数値

■標準仕様

  1. 注1)改良深度は、Z≦30mを標準とする。
  2. 注2)N値は改良対象地盤の最大N値である。
  3. 注3)砂礫土については、砂質土有効径の10%減を基本とするが、事前の試験施工等により有効径を確認することが望ましい。
  4. 注4)有機質土については、十分な検討の上で有効径を設定する。
  5. 注5)砂質土において細粒分含有率が大きい(粘着力が大きい)場合には、粘性土として設計数値を求める場合もある。
  6. 注6)粘着力が50kN/m2以上の地盤では、所定の有効径が確保できないこともあるので、事前の試験施工等により有効径を確認することが望ましい。
  7. 注7)砂質土N>150、粘性土N>7の地盤および細粒分含有率が大きい砂質土(Fc=20%以上)では、有効径が小径になることが予想され、その低減率も明確ではない。しかし、現場の条件に対応する特殊仕様を設定することで、改良目的を達成できる場合もあるので、有効径を確認した上で設定するものとする。(検討の際は協会に御相談ください)
  8. 注8)砂質土N<10、粘性土N<1程度の軟弱地盤では、設定有効径より過大となる可能性があり、所定の改良強度を確保できないことがあるので、事前の試験施工等により有効径を確認することが望ましい。

特 長

  • 無駄な改良部が少ないため、少ない改良体積で壁状の地盤改良を行うことができます。
  • 施工機に装着された回転制御機構により、精度の高い施工ができます。
  • V-JET工法の持つ優れた噴射攪拌性能と施工性を有しており、効率的な施工が可能です。

これらの特長により、従来工法と比べて硬化材使用量や排泥液処理量を大幅に低減し改良体の造成時間を短縮することができ、工事費の縮減と工期の短縮が図れます。

適用例

  • 格子状配置による液状化対策
  • 壁状配置による土留め欠損部防護や遮水壁
  • ライナープレート側部への適用
  • 底盤改良端部への適用

施工手順

施工設備

標準的な設備例(定置型)

 

標準的な設備例(車載型)

施工状況

  • V0タイプ
  • V1タイプ

その他

  • NETIS登録番号:KT-21088-A